MENU
東京小児科医会について About

当会の目的

本会は、東京都において、子ども達を診療する医師が子ども達の健康と幸せのために、専門領域で研さん(鑽)と、社会的実践を行なうことを目的としています。

事務局概要

名称 東京小児科医会事務局
所在地 〒160-8306 東京都新宿区西新宿5-25-11 和光堂西新宿ビル 2階(株)日本小児医事出版社内
連絡先 TEL.03-5388-5220 / FAX.03-5388-5193
E-mail tpa@bloom.ocn.ne.jp
アクセス 地下鉄大江戸線 西新宿5丁目駅から徒歩1分

会長ご挨拶

平成28年6月より、髙橋系一前会長の後、東京小児科医会の会長を務めさせていただくこととなりました。 平成9年に理事に就任し、天野暁先生、川村周光先生、伊藤和雄先生、松平隆光先生、そして髙橋系一先生と歴代の会長先生、理事、委員会委員、そして会員の皆様から約20年、様々なご指導を賜り、現在に至っております。この紙面をお借りして御礼申し上げます。 この間に子どもと小児医療は大きく変貌しました。

20年以上前から少子化が指摘されていますが改善傾向なく、日本の年少人口(0〜14歳)は2025年には現在より約300万人減少すると予測されています。 予防接種の普及により、感染症による外来受診者数が減り、重症細菌感染症等による入院患者の減少により、急性期病院は機能変化を求められました。 一次病院小児科は減少しはじめ、二次病院では急性疾患対応から在宅児のレスパイトを含む回復期・慢性期医療へと機能が変化しています。

子どもと取り巻く環境も変化しています。 保育所に通う子が多くなり、育児経験のない保護者には育児支援が有効になっている反面(保育園240万人に対し幼稚園140万人)、公立保育所と比較して認証保育所では園児死亡が40倍も多いなど問題があります。 ビル内保育所が増え、園庭のない園など保育環境の悪化もあり、これらが子どもたちの成長にどのように影響していくのか未知数です。 大半の子どもは健常に発達していますが、ちょっと気になる子どもが増え、原因は不明ですが食物アレルギー児も増加し、集団生活の場では対応に苦慮しています。

乳幼児のスマホ等の使用による心身の成長発達への悪影響、子ども全体では、やせの傾向にありますが、高度肥満の存在や医療技術の向上により小児慢性疾患も増加し、子どもの心身に様々な問題が生じています。

小児救急を中心に進められてきた小児医療提供体制も見直しされています。 今後地域小児科センター機能を担う病院が、高度急性から回復期への橋渡しを担い、小児慢性疾患、在宅医療など含む地域総合小児医療を、地域の子どものかかりつけ医や多職種との連携を構築しながら実施していくと思われます。 一方、子どものかかりつけ医は乳幼児健診、学校医・園医、予防接種など医師会や自治体に協力して医療・保健を担ってきた実績があります。 これからも子どもの成育を継続的に見守るためには、子どものかかりつけ医が何を実施しているかより、今後地域総合小児医療の場でどのような分野で地域医療に貢献できるのかが問われてくるのかもしれません。

内科のかかりつけ医の柱は、高脂血症、糖尿病、高血圧、認知症、在宅医療(介護保険)、健康相談になっています。 小児のかかりつけ医では、発達障害、乳幼児健診、園学校保健、予防接種、小児初期救急と在宅医療が柱だと思います。 発達障害に関しては、小児かかりつけ医が初期対応をする機会が多いと思います。 乳幼児健診、保育所・幼稚園健診で気になる子どもに、何が原因で問題になっているかを検討し、家庭と集団生活の場で子どもとの接し方を教えてあげることが必要になります。 集団生活で困難さを抱えている子どもには、その子どもにあった地域の社会資源につなげてあげることが大切ですので、講演会などを通して情報を共有したいと思います。

乳幼児健診は、どこで健診を受けても標準的な健診を受けられることが大切です。 小児科学会専門医は日本小児科学会のHPで1か月、3、4か月、1.6か月、3歳児健診をe-learningできますが、6、7か月、9、10か月は東京都の独自の健診で研修の場がありません。 小児科医以外も健診していますので、東京都医師会と連携して標準的な乳幼児健診を普及していくことが必要と思います。 予防接種の問題点は、特別区(23区)、多摩地域および大島・三宅・八丈・小笠原(島嶼部)で予防接種の相互乗り入れができないことです。 予防接種委託料は特別区は同一ですが、都下では異なり、相互乗り入れを難しくしています。

地図上の線引きで差別されることなく、子どものかかりつけ医で接種できるよう、東京都全域での相互乗り入れとワクチン現物支給を、東京都と東京都医師会に申し入れていきたいと思います。

小児初期救急が多くの地域で行われていますが、急性期疾患の減少などあり、今後は集約化されると思われます。 しかし急性期病院の時間外診療では、診療費とは別に時間外選定療養費が徴収されることがあります。 そのため病院併設型の救急診療室や医師会立時間外診療所へ受診が増えることも考えられます。 本当に救急受診が必要な子どもたちが不利にならないよう、需要のある地域では小児初期救急を維持し、一方家庭看護力を高めることも重要な課題です。

在宅医療に関しては、地域の基幹病院と保健所が中心になって、実地講習会などの研修会を開催し、地域の医療資源と顔の見える関係を形成していくことが第一歩と考えます。 先進的な事例を参考に、地域ごとに体制づくりを進めていただくことを是非お願いいたします。療育施設がない地域については別に、東京都として検討すべきと考えております。

子どもの健全な発達のためには、子どものかかりつけ医が地域の二次、三次病院と協働して地域総合小児医療のコーディネーターとして活躍していただく必要があります。 微力ではありますが、地域で活躍されている先生方の支援ができるよう努めていきたいと考えております。 今後とも会員の皆様のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

東京小児科医 会長神川 晃