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東京小児科医会について About

当会の目的

本会は、東京都において、子ども達を診療する医師が子ども達の健康と幸せのために、専門領域で研さん(鑽)と、社会的実践を行なうことを目的としています。

事務局概要

名称 東京小児科医会事務局
所在地 〒160-8306 東京都新宿区西新宿5-25-11 和光堂西新宿ビル 2階(株)日本小児医事出版社内
連絡先 TEL.03-5388-5220 / FAX.03-5388-5193
E-mail tpa@bloom.ocn.ne.jp
アクセス 地下鉄大江戸線 西新宿5丁目駅から徒歩1分

会長ご挨拶

平成30年6月より、神川 晃前会長の後を引き継ぎ東京小児科医会の会長を務めさせていただくことになりました。平成9 年に理事に就任し、天野 曄先生、川村 周光先生、伊藤 和雄先生、松平 隆光先生、髙橋 系一先生、神川 晃先生の歴代の会長先生、理事、委員会委員そして会員の皆様から様々なご指導を賜り現在に至りました。この場をお借りして深く御礼申し上げます。このご挨拶を作成するにあたり、今までの会長先生方の挨拶文などを拝読し、今更ながらその慧眼に感服いたしました。その時々の問題点とそれに対応する心構え、対応などに言及されています。その上で、私なりに考えてみた事を以下に記載させていただきます。

東京小児科医会とは
当会の趣旨は「東京小児科医会では、子どもの健康と幸せのために、専門領域で研さん(鑽)と社会的実践を行なうことを目的とします。」とあります。
これは発足当時1965年1月に規定されました。
今でも当会ホームページにはこの記載があり、いつの時代でもこの文言は小児科医師を拝命している限り真理だと考えます。しかし子どもを取り巻く環境は変化しており、真理を実現する方法にも調整が必要だと考えます。いつの時代でも小児科医会は、次世代を担う子供たちのためにあり、さらに小児科医が矜持を持って本来の仕事を行うお手伝いをすることに尽きるのだろうと考えます。今こそ改めて、一度
原点に戻り東京小児科医会の存在意義を見直す時期なのかもしれません。

小児科医はいつだって子どもファーストであること
小児科医は今までも小児の健全な発達と発育、一言で言うなら健全な成育のお手伝いを第一に考え実践してきた専門職集団ということになると思います。
昨今は○○ファーストという言葉が聞かれます。あまり横文字は性に合いませんが、
言わば、小児科医は「チルドレンファーストのプロ集団」であると考えます。

これからの小児医療は生活の質の保障も
以前の小児医療は感染症加療の比重が高かったものの、現在は予防接種の種類も増え感染症も減少し、医療技術の進歩により乳児死亡率なども改善しました。極論するならこれからの小児医療は「生命予後の担保」だけでなく、「よりよく生きる」お手伝いも期待されているのではと考えます。思いつくままに現在の問題点を挙げます。
1.社会環境の変化
人口減少
平成30年に発表された一人の女性が産む子供どもの数の平均(合計特殊出生率)は1.43であり、同じく年間出生数は94万6060人であり明治32年から今までの統計結果の中で最も少なかったそうです。
歴史をひも解くと合計特殊出生率が1989年に1.57となり1966年の丙午の際の出生率を下回ったことが1.57ショックという言葉になり出生数の低下が話題になったそうです。しかしその時でさえ出生数は120万6000人でした。ところで、日本の総人口が増加(人口再生産)する為に必要な出生率は2.08だそうです。1974年以降は2.0を下回りましたが、少子化にもかかわらずそれ以降の出生率には顕著な低下はみられていません。しかし、これは出生数と人口がそれぞれ減少しているために出生率が大きく減少しなかったのが原因と思われます。反面、出生数が減少したものの社会的なニーズの変化などでしょうか、入園希望者の増加による待機児童問題、さらに保育養育環境の充実なども求められています。
2、小児医療の変化
①急性期だけでなく慢性期医療の充実
今までは、急性期小児医療を中心に進められてきた病院小児科も回復期、レスパイトの適応などの慢性期医療への機能のさらなる充実が求められていると考えます。このため、回復期、慢性期の子どもたちは地域での管理、つまりかかりつけ医による在宅医療が必要とされて行くと考えます。地域の小児科医は病院小児科勤務医との連携、かかりつけ医機能の充実と変革もさらに求められてゆくのではないでしょうか。当医会の学術講演会などを通じた情報提供が、かかりつけ医機能強化の一助になればと考えています。
②予防医療
〇予防接種
今や、3種混合(DPT)は4種混合(DPT+ポリオ)になり、定期で接種できるワクチンの種類も増え疾患に対する考え方も変化しました。さらには、輸入感染症対策にも、予防接種の活用が必要になってきています。むかしは「水痘は軽いから病気になったお友達のうちに行ってうつしてもらいなさい。」などと今から考えると、とんでもない時代もあったように聞いています。さすがに今はそのようなことは少ないようにも思いますが、いまでも間違った情報のためにせっかくの接種の機会を生かせていない子どもたちもいます。保護者の皆さんへの啓発がさらに必要であると感じます。さらに予防接種を希望しても地域差、ワクチンの供給不足により接種できないことが起きています。一案ですが、 地域差による接種機会の均等化のため、23区内外の都内全域での相互乗り入れ、安定供給のためのワクチンの現物支給なども行政と協働して考慮して行きたいと思います。
〇健診
予防医療の一環として乳幼児健診における保健指導を通じよりよい成育に携わってゆけたらと思います。現在、3歳児健診以降は母子健康手帳に項目はあるものの公費負担で健診を受ける制度はなく、保育園などで気づかれるちょっと気になる子、一例をあげるならば発達障がい疑いの子どもたちへのケアも十分ではない場合もあると考えます。改善策のひとつとつとして医療側の健診技量の標準化(気づきの啓発)、気づいた後のその子たちの支援や教育制度などの行政も巻き込んだシステムの充実も必要だと思います。
3、こころの問題、ICT(Information and Communication Technology)など
スマートフォンや、タブレットと言われる新しい携帯型デジタル端末の不適切な使用などによる弊害が危惧されています。さらに、今に始まったことではないもののいじめや不登校などが、近年さらに顕在化、問題化していると言われています。この問題に、ICTが絡み問題をさらに複雑化(ネット上のいじめなど)させた側面もあるのではと懸念をしています。
4.制度上の問題
しかし、前述した問題に限っても、その解決には小児科医会単独ではなく行政と協働して取り組むことが肝要であると考えます。さらに医療行政がたて割りであることが、問題解決の迅速さを欠く一因であると考えます。一つの打開策として小児の成育に関する制度を一本化することは有用であるかもしれません。現在、当医会もこの概念である成育医療等基本法成立にむけて、日本小児科医会などと協働して活動を行っております。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございます。
繰り返しになりますが、小児科医の役目は子どもたちのよりよい健全な成育に寄与することにつきると思います。その実現のため、東京小児科医会は、的確で迅速な情報提供(会報や学術集会)などを通じて会員の研鑽のお役に立ちたい、さらには保護者や社会への啓発を、市民公開フォーラムなどを通じて図ってゆきたいと考えています。
今後とも会員をはじめ皆様方のご理解ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

東京小児科医 会長 塙 佳生